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悪智慧
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わるぢえ
ふりがな文庫
“
悪智慧
(
わるぢえ
)” の例文
旧字:
惡智慧
「全くそうじゃ」老翁は
白髯
(
はくぜん
)
を
顫
(
ふる
)
わしながら答えるのだ。「これからは
悪智慧
(
わるぢえ
)
のある奴が益々増えるから、脅迫は増える一方じゃのう」
急行十三時間
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
ただ少しばかり感心しているところは偉い方のおいでを利用して事件を当局者の手で
揉消
(
もみけ
)
してしまう、そうした犯人の
悪智慧
(
わるぢえ
)
です
浴槽
(新字新仮名)
/
大坪砂男
(著)
しかるに先生は教うるにいかなる事をもってしたのであるか、まさかに
悪智慧
(
わるぢえ
)
を着けはしまい。
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
川島はにやりと笑ったと思うと、たちまち小栗を
懐柔
(
かいじゅう
)
した。保吉は
未
(
いまだ
)
にこの少年の
悪智慧
(
わるぢえ
)
の鋭さに驚いている。川島は小学校も終らないうちに、熱病のために死んでしまった。
少年
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
この話を読んで、わたしは江戸時代にもそれと
殆
(
ほとん
)
ど同様の事件のあつたことを思ひ出した。犯罪者も所詮はおなじ人間であつたから、その
悪智慧
(
わるぢえ
)
も
大抵
(
たいてい
)
はおなじやうに働くのであらう。
赤膏薬
(新字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
▼ もっと見る
世界が暗くなってしまう。察するところ、お母さんから
悪智慧
(
わるぢえ
)
を附けられて、妙に自信を得たのだろう。お母さんは、あれで、なかなか理論家だからね。いまに、パウロの罰を受けるぞ。
新ハムレット
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
何百両という金を
貯
(
た
)
めるのは一生かかっても難しいことと、一平が
悪智慧
(
わるぢえ
)
を出して、醤油賭をやるようになってから、お咲も、自分の体を
犠牲
(
にえ
)
にしてもという気で夜鷹に身を落したが、実は
醤油仏
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
抱えに
悪智慧
(
わるぢえ
)
をつける
婆
(
ばあ
)
やも、もういなくなり、銀子は仕込みをつかって、台所をしているのだったが、大抵のことは
親爺
(
おやじ
)
が自身でやり、シャツ一枚になって、
風呂場
(
ふろば
)
の掃除もするのだった。
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
それがあの方達の
悪智慧
(
わるぢえ
)
でごぜえますよ。
旗本退屈男:03 第三話 後の旗本退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
そこはね、性理上も
斟酌
(
しんしゃく
)
をして、そろそろ色気が、と思う時分には、妹たちが、まだまだ自分で、男をどうのこうのという
悪智慧
(
わるぢえ
)
の出ない先に、親の
鑑定
(
めがね
)
で、婿を見附けて授けるんです。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
(上手の障子をあけて、台所に降りて障子をしめ、あとは声のみ)このごろはどうして、なかなか
悪智慧
(
わるぢえ
)
が附いてね、おんりして歩かないかって言えば、急に眠ったふりなんかしてさ、いやな子だよ。
冬の花火
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
悪
常用漢字
小3
部首:⼼
11画
智
漢検準1級
部首:⽇
12画
慧
漢検準1級
部首:⼼
15画
“悪智”で始まる語句
悪智恵
悪智