御顔おんかお)” の例文
旧字:御顏
お父様は何うなされたかと日々お案じ申しまするのみでございましたが、先ずはおすこやかなる御顔おんかおを拝しまして誠に大悦たいえつに存じまする
戸野兵衛は、呆然とし、しばらく宮家の御顔おんかおを見守り、それから次々に八人の者へ、驚きの眼を移して行った。
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
みどりを、片袖かたそでで胸にいだいて、御顔おんかおを少し仰向あおむけに、吉祥果きっしょうかの枝を肩に振掛ふりかけ、もすそをひらりと、片足を軽く挙げて、——いいぐさはつたないが、まいなどしたまうさま
七宝の柱 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
白い御髪おぐしに白い肌、月の御顔おんかお雲のまゆ
白髪小僧 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
御顔おんかおく覚えたり。
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
今こそお許しなされましたぞ! ……怒りのまなこを見ひらかれ、猛々しくおわした宮様の御顔おんかおが、ご覧なされ、御眼おんめを閉じられ、一切の罪も悪業も、許すぞとばかりの慈悲円満の
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
が、にわかに宮家の御顔おんかおへ、快然とした微笑が産まれ出た。
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)