御貰おもら)” の例文
どうかその点を十分会得して御貰おもらい申して、私の従来の希望は少し大胆な企てのようではあるが、どうもこの学問の独立を見たいということである。
「だから、貴方あなたが奥さんを御貰おもらいなすったら、始終宅にばかりいて、たんと可愛かあいがって御上げなさいな」
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
なんだつて、まだおくさんを御貰おもらひなさらないの」と聞いた。代助は此とひにも答へる事が出なかつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
どうか盛んに批評をやって御貰おもらい申したいと思うのである。それがなければとても善い政治は出ない。団十郎でも菊五郎でも、贔負ひいきがあってやあやあ言うと力は百倍する。
政治趣味の涵養 (新字新仮名) / 大隈重信(著)
「だから、貴方あなたが奥さんを御貰おもらひなすつたら、始終うちばかりゐて、たんと可愛かあいがつて御上おあげなさいな」
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
学長その他当事者に於て今一層の奮発を以て家を造って御貰おもらいしたいと思う。
始業式に臨みて (新字新仮名) / 大隈重信(著)
「佐野さんはああいうしっかりした方だから、やっぱり辛抱人しんぼうにん御貰おもらいになる御考えなんですよ」
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「まあ奥様でも御貰おもらいになってから、っくり、御役でも御探しなさる御積りなんでしょうよ」
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ところが——先方さきでも器量望みで御貰おもらいなさったのだから、随分大事にはなさったかも知れませぬが、もともといられて御出なさったのだから、どうも折合おりあいがわるくて
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「妙だよあの人は。藤尾に養子をして、面倒を見て御貰おもらいなさいと云うかと思うと、やっぱり御前を一にやりたいんだよ。だって一は一人息子じゃないか。養子なんぞに来られるものかね」
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
貴夫あなたどうしてその御縫さんて人を御貰おもらいにならなかったの」
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)