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御浚
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おさら
ふりがな文庫
“
御浚
(
おさら
)” の例文
寒月君は
内隠
(
うちがく
)
しから草稿を取り出して
徐
(
おもむ
)
ろに「稽古ですから、御遠慮なく御批評を願います」と前置をして、いよいよ演舌の
御浚
(
おさら
)
いを始める。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
この人たちの間では深川の鳥羽屋の寮であった
義太夫
(
ぎだゆう
)
の
御浚
(
おさら
)
いの話しや
山城河岸
(
やましろがし
)
の
津藤
(
つとう
)
が催した千社札の会の話しが大分賑やかに出たようであった。
老年
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
そうして日に何遍となくリボンを掛け
易
(
か
)
える。近頃はヴァイオリンの
稽古
(
けいこ
)
に
行
(
ゆ
)
く。帰って来ると、
鋸
(
のこぎり
)
の目立ての様な声を出して
御浚
(
おさら
)
いをする。ただし人が見ていると決して遣らない。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
交番の前で
鼠
(
ねずみ
)
をぶら下げて居る小僧を見たり、
天狗連
(
てんぐれん
)
の
御浚
(
おさら
)
えを聴いたりして
肝腎
(
かんじん
)
の買物は中々弁じない。所が忙がしい人になると、そんな余裕はない。買物に出たら買物が目的である。
高浜虚子著『鶏頭』序
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
小供の時分、門前に
万屋
(
よろずや
)
と云う酒屋があって、そこに
御倉
(
おくら
)
さんと云う娘がいた。この御倉さんが、静かな春の昼過ぎになると、必ず長唄の
御浚
(
おさら
)
いをする。御浚が始まると、余は庭へ出る。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
春の日の
午過
(
ひるすぎ
)
などに、私はよく
恍惚
(
うっとり
)
とした魂を、
麗
(
うらら
)
かな光に包みながら、御北さんの
御浚
(
おさら
)
いを聴くでもなく聴かぬでもなく、ぼんやり私の家の土蔵の白壁に身を
靠
(
も
)
たせて、
佇立
(
たたず
)
んでいた事がある。
硝子戸の中
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
御
常用漢字
中学
部首:⼻
12画
浚
漢検1級
部首:⽔
10画
“御”で始まる語句
御
御馳走
御前
御意
御座
御簾
御尤
御覧
御免
御堂