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御早世
もすべきに御不運にて
御早世なりしは返す/″\も
殘念なりと
獨り
泣悲しむも
理りとこそ
聞けれ扨も八代將軍には或時
御側御用取次に
御尋ね有やうは
先年勢州山田奉行を
御手に
取せ玉ひ
御覽有るに全くの
若君には寶永三酉年三月十五日
御誕生にて
直御早世澤の井も其
明方に同じく
相果平澤村光照寺へ
葬り右
法名共に
寫し有て且天一坊は原田嘉傳次が子にして
幼名を
杖に越前守殿の前に
駈來り立乍ら
大音上天一坊は
贋者にて
山伏感應院の
弟子寶澤と
云者なり若君には
寶永二酉年三月十五日
御早世に相違なし
委細は是に候とて
書留の
控へ差出し兩人は
撥と
平伏なし私共天一坊
贋者の儀を