“御揃(おそろ)” の例文
さすがに御両人御揃(おそろ)いの事だから、最初のうちは各自任意の行動をとって、盤の上を白石と黒石が自由自在に飛び交わしていたが、盤の広さには限りがあって
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「これは/\、御揃(おそろ)ひで御散歩で在(い)らつしやいまするか、オヽ、『黒』さんも御一緒ですか」と、芝生に横臥(わうぐわ)せる黒犬にまで丁重に敬礼す、是れなん其仁(そのじん)、獣類にまで及べるもの乎(か)
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
儲(もう)け當年十七歳に成候是と申も皆貴殿の御厚恩(ごこうおん)なれば一度は御禮の書状も差上度(さしあげたく)心得候へども世間へ憚りあるゆゑ夫(それ)も叶(かな)はず只々明暮(あけくれ)思(おも)ひ暮(くら)し居るにのみに御座候處先づは御揃(おそろ)ひ遊ばし御機嫌(ごきげん)克(よき)御樣子大悦に存じ奉つるとは申ものゝ大橋氏には如何して斯(この)御體(ごてい)たらくに候や存ぜぬこととは
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「下駄を、よう御揃(おそろ)えなさい。そらここを御覧」と紙燭を差しつける。黒い柱の真中に、土間から五尺ばかりの高さを見計(みはから)って、半紙を四つ切りにした上へ、何か認(したた)めてある。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)