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御尋
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おんたづね
思ひ
竊に
母へ
委敷事を語りければ
母も
驚き今度の
御呼出しは吉三郎と
對決させんとの事
成べければ
種々御尋有ならんが
其時委細を
勤し大岡忠右衞門と申者は
目今何役を致し居るやと
御尋に
御側衆申上げる
樣大岡忠右衞門儀
未だ山田奉行
勤役にて
罷在る旨を
胡亂々々致候處へ
御武家樣御通り掛り成れ候て其方は
駈込訴訟かと
御聞成れ候間
然樣なれども如何して
宜敷やと承まはり候へば
斯樣々々致せと御教へ
成れ其上訴状は
持來りしかと
御尋故之なくと申ければ
然らば認め
遣すべしとて
記て下され候と申べし
夫さへ云へば
後は此方の物
向ふが大岡樣なれば何事も
察し
有べしと教へ平兵衞は