御守殿ごしゅでん)” の例文
その時の将軍は十一代徳川家斉いえなりであろう。奢侈しゃしを極めた子福者、子女数十人、娘を大名へさした御守殿ごしゅでんばかりもたいした数だという。
女駕の御守殿ごしゅでん供人ともびとなど、合点のゆかない行装であるが、父中将の持てあましている万太郎ぎみの日常を知る者には、さほど、目をみはるに足らないことで
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
道化た様子で取って返したガラッ八は、まもなく椎茸髱——というのは大袈裟おおげさですが、少なからず御守殿ごしゅでんの匂いのする、三十前後の女を案内して来ました。
それはきぬたともいい御守殿ごしゅでんともいう木造りの形のものに限られ、その上でも守らねばならない教訓があった。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
以前は私の頃よりも一層盛んであったそうだが幕府の姫が有馬家に嫁せられて、御守殿ごしゅでんが出来てから、少し静にせよとのことで、それから多少この縁日も衰えたとの事である。
鳴雪自叙伝 (新字新仮名) / 内藤鳴雪(著)
なにしろ今から四十何年の昔のことでござりましてそのころは京や大阪の旧家などでは上女中かみじょちゅうには御守殿ごしゅでん風の姿をさせ礼儀作法は申すまでもござりませぬが物好きな主人になりますと遊芸などを
蘆刈 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
加賀さまの赤門あかもんで名代の前田加賀守まえだかがのかみ御守殿ごしゅでん屋敷。
顎十郎捕物帳:08 氷献上 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
「五六町追っかけたが、女のくせに恐ろしく足がはええ、——それに御守殿ごしゅでん崩しの襟脚えりあしがめっぽう綺麗だ」
見事な紅葉もみじの枝をゆッさりと上にのせて金鋲青漆きんびょうせいしつ女駕おんなかご供人ともびとは紅白ちりめんの裲襠うちかけ、いずれも、御守殿ごしゅでん風な女ぞろいで、これまた、手に手に紅葉の枝を持っているので
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
お篠は慇懃いんぎんに挨拶しました。お茶や礼式のたしなみがありそうで、なんとなく御守殿ごしゅでん風が匂います。
お滝の背中に突っ立っていたのは、御守殿ごしゅでん好みの細い匕首あいくちでしょう
御守殿ごしゅでんお茂与を親分知りませんか」