征途せいと)” の例文
それから、合宿で、恒例こうれいのテキにカツを食い、一杯いっぱいの冷酒に征途せいとをことほいだ後、晴れのブレザァコオトもうれしく、ほてるような気持で、旅立ったのです。
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
もっと軍務ぐんむ多端たたんさいとて、そのしきいたって簡単かんたんなもので、ただ内輪うちわでお杯事さかずきごとをされただけ、もなく新婚しんこん花嫁様はなよめさまをおれになって征途せいとのぼられたとのことでございました。
が、さくの非を悔い今のを悟っている上から云えば、予も亦同じ帰去来ききょらいの人である。春風は既に予が草堂ののきを吹いた。これから予も軽燕と共に、そろそろ征途せいとへ上ろうと思っている。
艸木虫魚 (新字新仮名) / 薄田泣菫(著)
北陸の征途せいとでもよく病んでいた。中国役の二度目の出立の折には
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)