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役得
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やくとく
ふりがな文庫
“
役得
(
やくとく
)” の例文
「そうともそうとも。こうなったら、
急
(
いそ
)
いでくれろと
頼
(
たの
)
まれても、
足
(
あし
)
がいうことを
聞
(
き
)
きませんや。あっしと
仙蔵
(
せんぞう
)
との、
役得
(
やくとく
)
でげさァね」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
こういうことは武家の家来が一種の
役得
(
やくとく
)
にもなっていたので、よほど厳格な主人でない限りはまず
大眼
(
おおめ
)
に見逃がしておく習いになっていた。
半七捕物帳:14 山祝いの夜
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
家計は、伊勢の
禄地
(
ろくち
)
から上がる稲が唯一の収入で、おりおりの
賜
(
たま
)
わり物だの、
役得
(
やくとく
)
のみいりなどは、一切、なかった。
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「合點、これも
役得
(
やくとく
)
さ。同じ跟けるなら、綺麗な新造の方がどんなに心持がいゝか判らない」
銭形平次捕物控:023 血潮と糠
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「お医者さんですからな、
役得
(
やくとく
)
というものがありましょうさ。若い美人が
診
(
み
)
て貰いに来たら、そこで、ほら、あとは源内流に、いわずもがなのことになるんで……」
鳴門秘帖:04 船路の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
そんな使いをたのまれて幾らかの使い賃を貰うのが、番太郎の女房の
役得
(
やくとく
)
であった。
半七捕物帳:06 半鐘の怪
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「しかし、諸国の情勢を
視
(
み
)
、危険を
冒
(
おか
)
して、敵地と自国を、出没して歩くなど、われわれにはない
役得
(
やくとく
)
だ。馬の
飼料
(
かいば
)
を徴発したり、馬のあいだに寝たり、小荷駄隊も、華やかでないなあ」
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
だから彼ら小役人は、旅籠へつくなり自身で火をおこし、
粟
(
あわ
)
を
炊
(
た
)
き、出張費
稼
(
かせ
)
ぎの小金を浮かせるのを
役得
(
やくとく
)
としていたから、囚人の食物などは、ただ露命を保たせておけばいいとしているに過ぎない。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“役得”の意味
《名詞》
その役職や役目につくことで得られる特別な利得。
(出典:Wiktionary)
役
常用漢字
小3
部首:⼻
7画
得
常用漢字
小5
部首:⼻
11画
“役”で始まる語句
役
役人
役目
役者
役所
役場
役立
役宅
役僧
役柄