彫像ちょうぞう)” の例文
もどってみますと、おしろぜんたいが大理石だいりせきづくりになっていて、まっ白なせっこうの彫像ちょうぞうもおいてあれば、きんのかざりもついていました。
黒人か、さにあらず、構成派の彫像ちょうぞうのような顔の持主は、人間ではなくて、霊魂れいこんのない怪物のような感じがした。
人造人間殺害事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ついきのうのばん、あの海の底に沈んだ都を見たばかりでしたから、それらの家々が、あるものは彫像ちょうぞうで、またあるものは黒や白の大理石だいりせきで、かざられていたにちがいないと思いました。
一方の壁には、りっぱなガラス戸だなが、ズラッとならび、その中に、彫像ちょうぞうだとか、ふるい西洋のつぼだとか、黄金のかざりのある西洋のけんだとか、りっぱな美術品がいっぱいおいてあります。
塔上の奇術師 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
いつとなく、団九郎も彫像ちょうぞう三昧さんまいを知った。木材をさがしもとめ、和尚の熟睡じゅくすいをまって庫裏の一隅に胡座あぐらし、のみふるいはじめてのちには、雑念を離れ、屡〻しばしば夜の白むのも忘れていたということである。
閑山 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
眼が暗さに慣れるにつれ、中に散乱した彫像ちょうぞう、器具の類や、周囲の浮彫うきぼり壁画へきがなどが、ぼうっと眼前に浮上うきあがって来た。かんふたを取られたまま投出され、埴輪人形ウシャブチの首が二つ三つ、傍にころがっている。
木乃伊 (新字新仮名) / 中島敦(著)
が、その美しい唇は彫像ちょうぞうのそれのように、堅く/\結ばれていた。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
日焦ひやけした彫像ちょうぞうのように立派な体躯を持った若者だった。そのズドが
宇宙尖兵 (新字新仮名) / 海野十三(著)