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強慾
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ごうよく
ふりがな文庫
“
強慾
(
ごうよく
)” の例文
もっとも、佐吉が
強慾
(
ごうよく
)
で、二人の給金を何年越し払わないそうで、イヤな思いをしても、急に飛出すわけにはいかない事情もあったようです。
銭形平次捕物控:021 雪の精
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
そうして、もしその神が神の眼で自分の一生を通して見たならば、この
強慾
(
ごうよく
)
な老人の一生と大した変りはないかも知れないという気が強くした。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
慾深き人の心と降る雪は積るにつけて道を
遺
(
わす
)
るゝと云う、慾の世の中、慾の為には夫婦の
間中
(
あいなか
)
も道を違えます
人心
(
ひとごゝろ
)
で、其の中にも
亦
(
また
)
強慾
(
ごうよく
)
と云うのがございます。
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
でなくてさえ
強慾
(
ごうよく
)
な石見守は、
私腹
(
しふく
)
をこやすためと家康のきげんをとるために、金坑
掘夫
(
ほり
)
をやとって八方へ
鉱脈
(
こうみゃく
)
をさぐらせる一方に、
甲斐
(
かい
)
の
百姓
(
ひゃくしょう
)
町人
(
ちょうにん
)
から、ビシビシと
苛税
(
かぜい
)
をしぼりあげて
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
然し与右衛門さんは
強慾
(
ごうよく
)
であるかわり、彼は
詐
(
うそ
)
を云わぬ。詐は
貨幣
(
かね
)
同様
(
どうよう
)
天下の
通
(
とお
)
り物である。都でも、田舎でも、皆それ/″\に詐をつく。多くの商売は詐に
築
(
つ
)
かれた
蜃気楼
(
しんきろう
)
と云ってもよい。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
▼ もっと見る
遽
(
にわか
)
に
発心
(
ほっしん
)
して、ついに仏道に入ったというところをかいたもので、あのお
稚児
(
ちご
)
さんは、その晩泊った旅人、実は観世音菩薩の
御化身
(
ごけしん
)
が、
強慾
(
ごうよく
)
な老婆をいましめの方便ということになっているのです
大菩薩峠:21 無明の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
これほど細君の病気に悩まされていた健三は、比較的島田のために
祟
(
たた
)
られる恐れを
抱
(
いだ
)
かなかった。彼はこの老人を
因業
(
いんごう
)
で
強慾
(
ごうよく
)
な男と思っていた。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
とにもかくにも、自分の歳のサバを読むような、生優しい女ではなく、冷酷で、押しが強くて
聡明
(
りこう
)
で、
強慾
(
ごうよく
)
で、高利貸に生れ付いたような、
逞
(
たくま
)
しい心の持主でした。
銭形平次捕物控:070 二本の脇差
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
文「何うもしない、手前のような
強慾
(
ごうよく
)
非道な者を生かして置くと、
生先
(
おいさき
)
長き両人の為にならん、手前一人を
縊
(
くび
)
り殺して両人を助ける方が
利方
(
りかた
)
だからナ、此の文治郎が縊り殺すから左様心得ろ」
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
強
常用漢字
小2
部首:⼸
11画
慾
漢検準1級
部首:⼼
15画
“強慾”で始まる語句
強慾婆
強慾張