延々のび/\)” の例文
「そりや、伯母さん、私の方が早く寝ましたからネ——が、伯母さん、どうも実に閑静ですねエ、全く別天地です、此の節々が延々のび/\しますよ」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
米屋「はい御免よ、誠に御無沙汰をしました、時にねえ余り延々のび/\に成りますから、今日は是非お払いを願いたいものだ」
大きい声では言へないが、余り延々のび/\にしておくと、さういふ女でも、いつの間にか側目わきめを振る事を覚えるものだから。
それから主人と相談して、裏口の土臺石の下へ百兩入れました、——一日も早く子供を返して下さるやうに、此上延々のび/\になると、お春の二の舞が始まるかも知れない。
空しい好意! かねてから願つてゐたのに、延々のび/\になつて叶はないでゐた、外ののぞみと同じく、あまりに來やうが遲かつた。私はその果物入のパイを食べることが出來なかつた。
野辺の送りを致すやら実に転覆ひっくりかえるような騒ぎ、それで段々延々のび/\になっての娘の事をきくもないほどの実に一通りならん愁傷で、まず初七日しょなぬかの寺詣りも済みましたが
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
わっちに少し心当りが有りますから、よもやに引かされて今まで延々のび/\になりましたが、だん/\永くなればなるで、なおお刀を持って来なければおめえさんに顔を合わせる事が出来ねえと
にいさんは軟弱かぼそい身体で車を挽いてるから気の毒だと思い、猶予ゆうよをして盆の払いが此の暮まで延々のび/\になって来たのだが、来月はもう押詰おしつまづきではありませんか、私も商売だから貸すもいゝが
お嬢さんを万年町のおたなへ送ってって上げて、実は番頭ばんつさんを去年助けたが、お刀が出たら/\と思って、今まで延々のび/\に成ったため御沙汰しねえは重々済みませんが、番頭さんを連れて来ましたと