年歳とし)” の例文
「チエイッ! 御老人は年歳としは年齢だが、お手前をはじめ諏訪など、だいぶ手ききが揃っておると聞いたに、なななんたる不覚——」
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
黎元れいぐわん撫育むいくすることやや年歳としを経たり。風化ふうくわなほようして、囹圄れいごいまむなしからず。通旦よもすがらしんを忘れて憂労いうらうここり。頃者このごろてんしきりあらはし、地しばしば震動す。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
けろりとなるといったふうな飄然ひょうぜんとしたなかに、いかにも温情のあふれている先生で、年歳としはもう四十を越していたが、師範を出ていないせいか、学校での席次は
次郎物語:02 第二部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
仕方がないで、一刀をぬいて暴れぬいて逃げて参ったのだが、源十郎この年歳としになるまで、きょうほどごうさらしな目にあったことはない。恨みは、こっちからこそいうべき筋だ。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)