巴蜀はしょく)” の例文
なるほど、荊州は江漢の地に面し、東は呉会ごかいに連なり、西は巴蜀はしょくへ通じ、南は海隅かいぐうに接し、兵糧は山のごとく積み、精兵数十万と聞く。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
燕山楚水えんざんそすい蘇浙小観そせつしょうかん北清ほくしん見聞録、長江ちょうこう十年、観光紀游、征塵録せいじんろく、満洲、巴蜀はしょく湖南こなん漢口かんこう支那風韻記しなふういんき、支那——
奇遇 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「てまえに、兵三万をおわかち下さい。巴蜀はしょくのほうに、のこのこ頭を出してきた張飛の軍を、一叩き叩いて後の憂いを断ってきますから」
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
君いま、勢いに乗って、江夏、襄陽を衝き、楚関そかんにまで兵をおすすめあれば、やがて、巴蜀はしょくはかることも難しくはございますまい
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
臣、草廬そうろを出てよりはや十余年、菲才ひさいを以て君に仕え、いま巴蜀はしょくを取ってようやく理想の一端は実現されたかの感があります。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
益州——巴蜀はしょくの奥地は、なおまだ颱風たいふう圏外そとにあるかのごとく、茫々ぼうぼうの密雲にとざされているが、長江の水は、そこから流れてくるものである。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
こうして、邪教の猖獗しょうけつは、年ごとに甚だしくなり、今年でもう三十年にもなるが、いかにせん、その悪弊は聞えてきても、中央に遠い巴蜀はしょくの地である。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
益州えきしゅう。それは巴蜀はしょく地方の総称である。漢代から蜀は益州、或いは巴蜀とひろく呼ばれていた。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
巴蜀はしょく。すなわち四川省しせんしょう
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)