屍山血河しざんけつが)” の例文
また組んずぐれつの肉闘にくとうや、一団の武者と一団の武者との陣列的じんれつてき搏撃はくげきなど、いまやここの終局は悽愴せいそうきわまる屍山血河しざんけつがを描いていた。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
三国間の戦いは、ただその屍山血河しざんけつがの天地ばかりでなく、今は外交の駈引きや人心の把握はあくにも、虚々実々の智が火華を散らし始めてきた。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と思いきめていたに違いないことは、屍山血河しざんけつがを現出した賤ヶ嶽の乱軍中も、終始、陣頭に立って、二十歳台、三十歳台の若者たちにも劣らず
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
朝の陽が峰のうえに昇ったとき、志染川のほとりも、そこここの崖や谷間も、文字どおり屍山血河しざんけつがの惨状をえがいていた。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
さんざんに討ち破られて、北河の岸まで逃げてくると忽然、河濤かとうは岸をうち、蘆荻ろてきはみな蕭々しょうしょうと死声を呼び、曹仁の前後、見るまに屍山血河しざんけつがと化した。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
屍山血河しざんけつがの激戦をくりかえしたあげく、水ノ手を断たれて、このうるう二月一日落城を見てしまい、楠木方の平野将監以下三十余人は降参して出で、楠木正季は脱出して
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あの河内平野に沸いた物狂わしい屍山血河しざんけつがの勝どきとはことなって、しずかな青葉のうちから、よろこぶとも泣くともつかない、ただ高い感動にせまった人々の諸声もろごえが、わあっと、こだまし合って
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この翼徳張飛よくとくちょうひという人間が、どんな力量の漢か知るまいが、かつて、幽州の鴻家こうけに仕えていた頃、重さ九十きん、長さ一丈八尺の蛇矛じゃぼこをふるって、黄巾賊こうきんぞくの大軍中へ馳けこみ、屍山血河しざんけつがをつくって
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いや、屍山血河しざんけつがを見ても、なお、ちないかもしれません
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
屍山血河しざんけつが。馬さえ敵の馬をんで闘い狂う。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
屍山血河しざんけつが
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)