小止をやみ)” の例文
午後雨小止をやみしたれば門外松下の小徑を歩み行くに、梅多く植ゑたる庭の垣際に菖蒲茂りて花多く咲きたり。空くもりて木蔭くらければ花の色殊に美しく見えたり。
荷風戦後日歴 第一 (旧字旧仮名) / 永井荷風(著)
小止をやみなき地獄の烈風吹き荒れて魂を漂はし、めぐりまた打ちてかれらをなやましむ 三一—三三
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
ゆき小止をやみなく、いまあめまじらずかわいたかるいのがさら/\とおもち、よひながらもんとざした敦賀つるがまちはひつそりして一すぢすぢ縦横たてよこに、つじかど広々ひろ/″\と、しろつもつたなかを、みちほどちやうばかりで
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ゆき小止をやみもなくるのである、る/\うちつもるのである。
雪の翼 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)