家宝かほう)” の例文
非常にたいせつな家宝かほうを持っていること、青銅の魔人がそれをねらって今晩やってくるらしいことを話し、きのうの夕方庭の木立ちの中で
青銅の魔人 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
ぽうには、いままでの金持かねもちが貧乏びんぼうして、着物きものるやら、家宝かほうるというふうで、まちにも、幾軒いくけんか、こっとうてんができたのだよ。新興成金しんこうなりきんあてにね。
太陽と星の下 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ちょうどそのころ、その国の殿との様のお屋敷やしきにつたわっている家宝かほうの名刀が、だれかのためにぬすまれました。
とんまの六兵衛 (新字新仮名) / 下村千秋(著)
いつか伊那丸いなまるが京都から東へ帰るとき、秀吉ひでよし桑名くわな陣中じんちゅうにしたしくむかえて、道中どうちゅう保護ほごをしてくれたのみか、御旗みはた楯無たてなし家宝かほうまで伊那丸の手へかえしてくれた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「今更仕方がないが、昨夜社長に家宝かほうを一つ奪われてしまった」
ガラマサどん (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
「それほどの名薬めいやくなら、大事だいじにして、しまっておきましょう。」といって、二人ふたりはそれを家宝かほうにしました。
村の兄弟 (新字新仮名) / 小川未明(著)
家宝かほうにもせばやと存じて、常に携えておりますが」
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
時間じかん正確せいかくでなければ、家宝かほうでも、なんでもありませんね。」と、ぼくがいうと、ちち
時計と窓の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)