“室(べや)” の例文
ただ気づよいコックの吉公(きちこう)だけは、このカフェを無人(ぶにん)にも出来まいというので、依然として階下のコック室(べや)に泊っていた。
電気看板の神経 (新字新仮名) / 海野十三(著)
宿直室は六畳で、その隣に小使室(べや)があった。小使室には大きな囲爐裏(いろり)に火がかっかっと起こって、自在鍵(じざいかぎ)につるした鉄瓶(てつびん)はつねに煮えくりかえっていた。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
洋館は書斎兼居間と寝室と物置室(べや)とから成っていたが、氏は多くの場合、物置室の裏の扉から出入りして、用事のあるときはベルを鳴らし、女中や書生は主人の顔を見ない日さえあった。
謎の咬傷 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
かれは放浪(ほうろう)する人々のように、宿直室(べや)に寝たり、村の酒屋に行って泊まったり、時には寺に帰って寝たりした。自炊がものういので、弁当をそこここで取って食った。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
丁度(ちょうど)その時刻のすこし前に給仕長の圭さんが出勤して来て、階下のコック室(べや)に独寝(ひとりね)をしていた吉公を叩(たた)き起すと、その勢いで三階の娘子軍の寝室までかけ上ったところ
電気看板の神経 (新字新仮名) / 海野十三(著)
その夜はやはり役場の小使室(べや)に寝た。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)