宣教師せんきょうし)” の例文
しかし、本能寺ほんのうじへんとどうじに、異国いこく宣教師せんきょうしたちは信長というただひとりの庇護者ひごしゃをうしなって、この南蛮寺も荒廃こうはいしてしまった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
本来宣教師せんきょうしにして久しく函館はこだてり、ほぼ日本語にもつうじたるを以て仏公使館の訳官となりたるが、これまた政府にちかづきて利したることすくなからず。
師父ターネフは、もちろん宣教師せんきょうしで、いつもすそをひきずるような長い黒服を着、首にまいたカラーは、普通の人とはあべこべに、うしろで合わせていた。
爆薬の花籠 (新字新仮名) / 海野十三(著)
日本に帰化した米国のおんな宣教師せんきょうしで、彼女は横須賀に永住して海軍々人の間に伝道し、葛城も久しく世話になって「マザー」と呼んで居た人で、お馨さんの病死の時は折よく紐育ニューヨークに居合わせ
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
使者は四条坊門の南蛮寺なんばんじを訪れて、永禄えいろく以来日本に来ている宣教師せんきょうしオルガンチノをれてふたたび信長の陣所天野山へ帰った。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
海賊王デルマが、淡路島に根拠地をおいていたということは、古い文献ぶんけんにも残っています。その当時、デルマは善良ぜんりょう宣教師せんきょうしをよそおい、島の中央に、カトリックの教会を建てたといわれています。
少年探偵長 (新字新仮名) / 海野十三(著)
いや、当時とうじ、海外から日本にきていて、この工事こうじ見聞みききしたクラセとか、フェローのような、宣教師せんきょうしでも、みなしたいて、その高大こうだいをつぶさに本国ほんごくへ通信していた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)