安珍あんちん)” の例文
そはこの話にとどまらず、安珍あんちん清姫きよひめの話を翻訳したる「紀州きしう日高ひだかの女山伏やまぶしを殺す事」も然り、くずの話を翻訳したる、「畜類人とちぎ男子をのこを生む事」
案頭の書 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
また清姫きよひめ日高川ひだかがわへ飛びこんで、安珍あんちんを追ったときはこんなものか、十七や十八で豪気なもの。
朱絃舎浜子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
着物の市松模様にさえ、嘗て、安珍あんちんを追った清姫きよひめの鬼気がただよっている感さえあった。
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
「また、清姫きよひめ安珍あんちんを追っかけて、日高川でじゃになった——てな話だろう」
昔から云う安珍あんちん清姫きよひめさ。嫌えば嫌うほど執念深く祟ってるのが当然あたりまえだアね。先方むこうが何とも思わなくっても、此方こっちが惚れていりゃア仕方がないじゃアないか。お前さんは馬鹿だよ、素人だよ。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
さてここに、鞍馬寺くらまでら山伏やまぶし安珍あんちんというのがあった
大菩薩峠:05 龍神の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「可愛らしいんですよ。ちょうど安珍あんちんのようなの」
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
安珍あんちん清姫きよひめのことまで例えに引きました。
女難 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
悲しや鐘の中の安珍あんちんきんの中の
真珠抄 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
安珍あんちんは」
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)