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孤寂
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こじゃく
ふりがな文庫
“
孤寂
(
こじゃく
)” の例文
綽空は、草庵をとざして、夜の
孤寂
(
こじゃく
)
に入ってからも、
瞑想
(
めいそう
)
の
澄心
(
ちょうしん
)
を、それのみに結ばれてしまうことを、どうしようもなかった。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そして、ひとりぼッち、あとに取りのこされた
巡礼
(
じゅんれい
)
のお
時
(
とき
)
は、
孤寂
(
こじゃく
)
なかげをションボリたたずませて、
去
(
さ
)
る者のうしろ
姿
(
すがた
)
をのびあがりながら
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
孤寂
(
こじゃく
)
にうるんだいとも淋しげな眸であった。いつか、四山の峰の
襞
(
ひだ
)
は、ふかい暗紫色を
彫
(
ほ
)
りこんで、水の見えない琵琶湖の方に、厚ぼったい雲が下がっていた。
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ただ宰相たるのゆえをもって、無為無策のまま臨んでも、かえって諸員に迷妄を加えるのみですから、暫しじっと、
孤寂
(
こじゃく
)
を守って、深思していたわけであります。
三国志:10 出師の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
山に
一庵
(
いちあん
)
をむすび、みずから
薪
(
たきぎ
)
を割り水を
汲
(
く
)
んで、
孤寂
(
こじゃく
)
な山中人になりきっているとは——
樵夫
(
きこり
)
や
猟夫
(
りょうし
)
などの口から風のたよりには聞えて来るが、
郷
(
さと
)
の者も、旧臣たちも、まだ誰もゆるされて
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
般若
(
はんにゃ
)
は
悄然
(
しょうぜん
)
とうなだれました。世に生きとし生ける者のなかに、
孤寂
(
こじゃく
)
! 真実の独りぼッちである、お蝶というあわれな
混血児
(
あいのこ
)
の姿を、吾と姿とのけじめを忘れて、暫く見つめているふうです。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そして眼は何を見るともない
孤寂
(
こじゃく
)
そのものだった。
私本太平記:01 あしかが帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
孤
常用漢字
中学
部首:⼦
9画
寂
常用漢字
中学
部首:⼧
11画
“孤”で始まる語句
孤児
孤
孤独
孤島
孤家
孤兒
孤屋
孤子
孤塁
孤立