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嫦娥
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じょうが
ふりがな文庫
“
嫦娥
(
じょうが
)” の例文
わがこの薬は、
畏
(
かしこ
)
くも
月宮殿
(
げっきゅうでん
)
の
嫦娥
(
じょうが
)
、
親
(
みずか
)
ら伝授したまひし霊法なれば、
縦令
(
たとい
)
怎麼
(
いか
)
なる難症なりとも、とみに
癒
(
いゆ
)
ること
神
(
しん
)
の如し。
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
猪八戒前生天蓬元帥たり。王母
瑶池
(
ようち
)
の会、酔いに任せて
嫦娥
(
じょうが
)
に戯れし罰に下界へ追われ、
錯
(
あやま
)
って猪の腹より生まれたという。
十二支考:10 猪に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
余はこの輪廓の眼に落ちた時、
桂
(
かつら
)
の
都
(
みやこ
)
を逃れた
月界
(
げっかい
)
の
嫦娥
(
じょうが
)
が、
彩虹
(
にじ
)
の
追手
(
おって
)
に取り囲まれて、しばらく
躊躇
(
ちゅうちょ
)
する姿と
眺
(
なが
)
めた。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
情熱的
(
パッショネート
)
ななかに、悲しい
諦
(
あき
)
らめさえみせているので、感じやすいわたしは自分から、すっかりつくりあげた
人品
(
ひとがら
)
を「
嫦娥
(
じょうが
)
」というふうにきめてしまっていたのだった。
柳原燁子(白蓮)
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
昔の人は月を見て、
嫦娥
(
じょうが
)
やダイヤナのような美人が住んでる、天界の理想国を想像していた。然るに今日の天文学は、月が死滅の世界であって、
暗澹
(
あんたん
)
たる土塊にすぎないことを解明している。
詩の原理
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
▼ もっと見る
「そうだ、満月だ。月が一番美しく輝く夜だ。まるで手を伸ばすと届くような気がする。昔
嫦娥
(
じょうが
)
という中国人は不死の薬を盗んで月に
奔
(
はし
)
ったというが、恐らくこのような明るい晩だったろうネ」
崩れる鬼影
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
惜しい事に向うは
月中
(
げっちゅう
)
の
嫦娥
(
じょうが
)
を驚ろかし、君は
古沼
(
ふるぬま
)
の
怪狸
(
かいり
)
におどろかされたので、
際
(
きわ
)
どいところで
滑稽
(
こっけい
)
と崇高の大差を来たした。さぞ
遺憾
(
いかん
)
だろう
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
今一歩を踏み出せば、せっかくの
嫦娥
(
じょうが
)
が、あわれ、俗界に堕落するよと思う
刹那
(
せつな
)
に、緑の髪は、波を切る
霊亀
(
れいき
)
の尾のごとくに風を起して、
莽
(
ぼう
)
と
靡
(
なび
)
いた。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
“嫦娥”の解説
Chang'e
嫦娥(じょうが、こうが)は、中国神話に登場する人物。后羿の妻。古くは姮娥(こうが)と表記された。
(出典:Wikipedia)
嫦
漢検1級
部首:⼥
14画
娥
漢検1級
部首:⼥
10画