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媒妁
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ばいしゃく
ふりがな文庫
“
媒妁
(
ばいしゃく
)” の例文
ところで
側
(
そば
)
にいた校長がそれと察して、『お気に召しましたかな? 何なら
媒妁
(
ばいしゃく
)
の労を取りましょうか?』と冗談を言ったそうだ。
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
そうしてそのお蔭という訳でもないが、事実はやはりそのおかげに違いなかったであろう、私は間もなく社長の
媒妁
(
ばいしゃく
)
で妻を迎えたのであった。
空を飛ぶパラソル
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
もし出来ることなら、自分が改めて
媒妁
(
ばいしゃく
)
の労を執って、二人を添わせるように尽力しよう、こんなことまで考えて来た。
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
自分は笑うと云わんよりはむしろ矛盾の
淋
(
さび
)
しみを感じた。幽霊の
媒妁
(
ばいしゃく
)
で、結婚の儀式を行ったら、こんな心持ではあるまいかと、立ちながら考えた。
永日小品
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
奥さんの話によると、多代子は学校を出ると間もなく、桐沢氏の
媒妁
(
ばいしゃく
)
で、現在の夫の深見氏方へ縁付いたのである。
深見夫人の死
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
▼ もっと見る
浪子が再度喀血の報を聞くに及びて、母は決然としてかつて
媒妁
(
ばいしゃく
)
をなしし加藤家を
訪
(
と
)
いたるなり。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
令嬢の名前は
常子
(
つねこ
)
である。これも
生憎
(
あいにく
)
恋愛結婚ではない。ある親戚の老人夫婦に
仲人
(
なこうど
)
を頼んだ
媒妁
(
ばいしゃく
)
結婚である。常子は美人と言うほどではない。もっともまた
醜婦
(
しゅうふ
)
と言うほどでもない。
馬の脚
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
それは
黛
(
まゆずみ
)
で画いた眉の細長く曲っていて美しい、そして小さな足に
鳳凰頭
(
ほうおうとう
)
の靴を
穿
(
は
)
いていたが、その美しいことは嬌娜に劣らなかった。孔生は大いに悦んで公子に
媒妁
(
ばいしゃく
)
をしてくれと頼んだ。
嬌娜
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
媒妁
(
ばいしゃく
)
をして下すった夫人は社交家で、「森さんは奥さんのお扱いが
下手
(
へた
)
だ」
鴎外の思い出
(新字新仮名)
/
小金井喜美子
(著)
婚礼は長倉夫婦の
媒妁
(
ばいしゃく
)
で、まだ桃の花の散らぬうちに済んだ。
安井夫人
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
瀬戸君は長倉さんしか頭になかったが、成程、
媒妁
(
ばいしゃく
)
には奥さんが重大な役割を勤めると気がついて、又改まって頼み入れた。
求婚三銃士
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
津田夫婦の結婚するとき、
表向
(
おもてむき
)
媒妁
(
ばいしゃく
)
の労を取ってくれた吉川夫婦と、彼の妹にあたるお秀と、その夫の堀とが社交的に関係をもっているのは、誰の眼にも明らかであった。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
せめては
是世
(
このよ
)
に君とお雪と及ばず乍ら自身
媒妁
(
ばいしゃく
)
の労を執って、改めて君に
娶
(
めあわ
)
せんものと決心致し、昨夜、一昨夜、殆ど眠らずして
其
(
その
)
方法を考え申候……ここに一つの困難というは
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
しかもその
媒妁
(
ばいしゃく
)
に立ったのは、お峰の伯父にあたる四谷大木戸前の
万屋
(
よろずや
)
という酒屋の亭主で、世間にあり触れた不誠意の媒妁口ではないと思われるので、近江屋の夫婦も心が動いた。
経帷子の秘密
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
中川というのはこの夫婦の間に
媒妁
(
ばいしゃく
)
の労を執った同僚である。井口君は尻尾を巻いて出勤した。
髪の毛
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
“媒妁”の意味
《名詞》
媒妁(ばいしゃく)
結婚の中立ちをすること。
(出典:Wiktionary)
媒
常用漢字
中学
部首:⼥
12画
妁
漢検1級
部首:⼥
6画
“媒妁”で始まる語句
媒妁人
媒妁役
媒妁口
媒妁人役