だく)” の例文
因より正當せいたうの腕をふるつてまうけるのでは無い、惡い智惠ちえしぼツてフンだくるのだ………だから他のうらみひもする。併し金はまつた。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
弥八 さあど奴もこ奴も命をフンだくってやるから出てこい。さあ。(ギロギロ見廻し)畜生、みんな隠れやがったな。
一本刀土俵入 二幕五場 (新字新仮名) / 長谷川伸(著)
もし野郎がそのにのらなかったら、女を、売りとばして、いかさまでふんだくられた分け前と、福生の若え者の治療代に当ててしまえばいいでしょう
野槌の百 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
三円もふんだくって置きながら、水の中でおならをしたような音を聞かせてサ、これでお終いたアあンまり馬鹿にしているよ。ああ、詰らない詰らない、こんなことなら歌舞伎へでも行くんだった。
魔都 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
と言つて、めい/\ふんだくり合ひをして、高い値段で引取つて往つた。
だれだろうとかれだろうと俺のものをふんだくれば。くそっ、承知するもんか。
中山七里 二幕五場 (新字新仮名) / 長谷川伸(著)