失策しつさく)” の例文
錢形平次一代のうちに、此時ほど大手柄を立てた事はありませんが、平次自身に言はせると、この時ほどの失策しつさくはなかつたと言ひます。
チユウヤの陰謀は五十年間秘密に計画されたのち、とうとう、チユウヤの失策しつさくのために、露顕ろけんすることになつた。そして政府は、チユウヤ並びにジオシツを逮捕たいほせよといふ命令を出した。
日本の女 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
いつも滑※こつけい失策しつさくとの本家本元ほんけほんもとで——いまわたくしそばに、威勢ゐせいよくはなし相槌あひづちつて武村兵曹たけむらへいそうは、幾度いくたび軍艦ぐんかん水兵等すいへいらに、背中せなかたゝかれ、たゝかれて、艦中かんちう第一だいいち愛敬者あいけふものとはなつた。
初心しよしん失策しつさくけつしてすくなくなかつたのだ。
それがあだになつて、娘はお前達にこんな目に逢はされる事になつたのは珊五郎一生の失策しつさくよ、解つたか平次。
その足の惡いのと聲のさびで、矢の根五郎吉と見當をつけ、平次と太助が力をあはせて苦もなく縛りましたが、この手柄の蔭に、重大な失策しつさくが潜んでゐるやうな氣がして
兼吉も妙な失策しつさくに頭を掻いて居ります。