太政だじょう)” の例文
そばには二個の大きな碑が建てられて、一方は太政だじょう大臣三条実美さんじょうさねとみ篆額てんがく斎藤竹堂さいとうちくどう撰文、一方は陸奥守むつのかみ藤原慶邦ふじわらよしくに篆額、大槻磐渓おおつきばんけい撰文とある。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
六波羅衆としますれば、まことの天狗は打ち取れなかったとありましては、時めく太政だじょう入道殿のご威勢にかかわりますから、山樵やまがつや猟師などの、山男にひとしい土民の首を
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
輦路れんろ嶮難けんなんなるところから木曾路は多く御板輿おんいたごしで、近衛このえ騎兵に前後をまもられ、供奉ぐぶの同勢の中には伏見二品宮にほんのみや徳大寺宮内卿とくだいじくないきょう、三条太政だじょう大臣、寺島山田らの参議、三浦陸軍中将
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
太政だじょう大臣である源氏と、内大臣との間は、会って話し合う事があれば、互にうちとけて昔の親しさに返るのであるが、源氏の長男夕霧と内大臣の娘雲井雁との恋愛問題があったり
反省の文学源氏物語 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
中御門なかみかどの北、堀川の東一丁の所にあった時平の居館の名で、当時時平は故関白かんぱく太政だじょう大臣基経もとつね、———昭宣公しょうせんこう嫡男ちゃくなんとして、時のみかど醍醐だいご帝の皇后穏子おんしの兄として、権威並びない地位にあった。
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
太政だじょう入道ともお成りあそばしたら、むかしの貧乏ゆすりの癖はおやめなさい)
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
前久は、龍山と号し、近衛信尹のぶただの父にあたる。そして太政だじょう大臣の現職にある。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)