大赦たいしゃ)” の例文
そのうちにあたかも大赦たいしゃに逢って、呉は赦されて家に帰った。その後も子孫繁昌して、彼は八十歳までも長命して天寿をまっとうした。
「将門の罪は、厳罰に値するが、折ふし、天皇御元服の大赦たいしゃあるによって、赦免、仰せつけられる。帰国して、謹慎を示すがいい」
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そういう正香は諒闇の年を迎えると共に大赦たいしゃにあって、多年世を忍んでいた流浪るろう境涯きょうがいを脱し、もう一度京都へとこころざす旅立ちの途中にある。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
六 憲法発布と大赦たいしゃ
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
彼はそこから抜け出して、一旦の命を生きのびて、しばらく潜伏しているうちに、測らずも大赦たいしゃに逢って青天白日せいてんはくじつの身となった。
去年こぞの暮、大赦たいしゃの令に、追捕の罪名からは、解かれましたが、五年前、袈裟けさを殺して、行方をくらました武者盛遠のことです。
そのほか、王朗の司徒、陳群の司空、華歆かきんの大尉などが重なるところであるが、なお文官武官の多数に対しても、叙爵じょしゃく進級が行われ、天下大赦たいしゃの令も布かれた。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼は天下に大赦たいしゃの令をくだすことをすすめて、皇帝もそれにしたがった。その晩に、太史がまた奏上した。
大赦たいしゃの令が発せられ、国中みな、昭烈皇帝の遺徳をたたえ、また新帝の治世に、その余光あれと祈った。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
のみならず、この一年の間に、大赦たいしゃの令が出た。特に、五代綱吉の治代に、例の、畜類違犯で獄中にあったり、その起因による罪人つみびとは、一人あまさず、赦免しゃめんになった。
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そのうちに天下大赦たいしゃの日でも来たら、晴れてまた、お目にかかろうじゃありませんか
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そこで即日、大赦たいしゃれいを発せられ、施薬せやく施粥せがゆの小屋を辻々におき、なおまた、かくは、臣洪信こうしんを遠くにおつかわしあって、当山の虚靖天師きょせいてんしに、病魔調伏ちょうぶくの祈りを、おん頼みあった次第である。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
武昌の南郊に盛大な壇をきずいて、大礼の式典を行い、天下に大赦たいしゃを令し、即日、黄武こうぶ八年の年号を、黄龍こうりゅう元年とあらため、先王孫堅そんけんに対しては、武烈ぶれつ皇帝とおくりなして、ここに、呉皇帝の即位は終った。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そのうちに、天下大赦たいしゃの令があった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)