大書たいしよ)” の例文
そこには、宣戰の大書たいしよした張紙と、それはうろ覺えだが、召集の心得が赤インキで上に線がして貼つてあつたかと思ふ。
日本橋あたり (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
やがて此みせをいたす時あんどんを持きたりて字をこひしゆゑ、がをさなき時天麩羅と大書たいしよして与へしに此てんぷら一ツ四銭にて毎夜うりきるゝ程なり。
間に合せに出した白旗はくきもあるが、二つどもゑに五しきで九曜の星をとり巻かせたり、「我漢復振わがかんまたふるふ」などと大書たいしよしたりしたものもある。申報しんぱうの号外を子供が売つて歩く。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
『こゝに一人ひとり少女せうぢよあり、其名そのなきぬといふ』とぼく小説批評家せうせつひゝやうかへの面當つらあていま特筆とくひつ大書たいしよする。
湯ヶ原より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
やがて此みせをいたす時あんどんを持きたりて字をこひしゆゑ、がをさなき時天麩羅と大書たいしよして与へしに此てんぷら一ツ四銭にて毎夜うりきるゝ程なり。
広東カントンが独立して以来にはかに断髪者が殖えたので剪髪せんぱつ店が大繁昌である。その店頭の旗に「漢興剪髪かんおこるはつをきれ」などと大書たいしよして居る。日本人の在住者は醜業婦を加へてわづかに一千足らずである。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
いかにも大寺にて祈祷の二字を大書たいしよしたる竪額たてがくは 順徳院の震筆しんひつなりとぞ。(佐渡へ遷幸のときの震筆なるべし)門前に直江なほえ山城守の制札せいさつあり、放火はうくわ私伐しばつきんずるの文なり。
いかにも大寺にて祈祷の二字を大書たいしよしたる竪額たてがくは 順徳院の震筆しんひつなりとぞ。(佐渡へ遷幸のときの震筆なるべし)門前に直江なほえ山城守の制札せいさつあり、放火はうくわ私伐しばつきんずるの文なり。