大失策おほしくじり)” の例文
わたくし二名にめい水兵すいへいとは、あまりのうれしさに一言いちごんかつた。武村兵曹たけむらへいそうなによりさき自分じぶん大失策おほしくじり白状はくじやうして、しきりにあたまいた。
「あれは大失策おほしくじりさ、晝は鋸目にばかり氣を取られたので、夜もう一度狸囃子をやつた場所を探しに行つたんだが、暗くて何にも判らなかつたんだ」
『ヘヘヘヘこれは大失策おほしくじり、大失礼を致しました。ついおいとしいおいとしいが先に立つもんでございますから。肝要かんじんのお話が後になつて、禁句が先へ出違ひと、申すはこれも今夕の禁句ホイ』
誰が罪 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
あげられぬ奪られるの云ひ争ひの末何楼なにや獅顔しかみ火鉢を盗り出さんとして朋友ともだちの仙の野郎が大失策おほしくじりを仕た話、五十間で地廻りを擲つた事など、縁に引かれ図に乗つて其から其へと饒舌り散らす中
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
このをとこ正直せうじきだから、猛狒ゴリラ退治たいぢ手柄話てがらばなし勿論もちろん自分じぶん大失策おほしくじりをも、人一倍ひといちばい大聲おほごゑでやツて退けた。