壮途そうと)” の例文
平靖号の船員も、相当死んだが、元気な虎船長や竹見水夫がいる限り、これにこりず、改めてさらに壮途そうとをつづけることであろう。
火薬船 (新字新仮名) / 海野十三(著)
翌十八日は、フランス飛行家シャプラン氏の世界一周機が、郊外S飛行場を出発して、所謂飛石伝とびいしづたいの航路で、太平洋横断の壮途そうとに向う当日であった。
黄金仮面 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
事変じへんがはじまってから、毎日まいにちのように、このえきから出征兵士しゅっせいへいしったので、えきぐちには、しろぬのへ、「しゅく壮途そうと」と、おおきないたがくがかかっていました。
昼のお月さま (新字新仮名) / 小川未明(著)
それだのに羽沢飛行士は壮途そうとを前にして、突然死んでしまった。ミドリの悲しみは、察するだにあわれなことだった。
月世界探険記 (新字新仮名) / 海野十三(著)
わが平靖号の壮途そうとの最後に近い時ならば、それは、だれかがいったように、こっちの船体を、ノーマ号の船体にぶっつけ、ともに天空へふきあげられてけむりになってしまうのも、わるくない。
火薬船 (新字新仮名) / 海野十三(著)