堯舜げうしゆん)” の例文
新字:尭舜
君主擅制せんせいの時代には堯舜げうしゆんは歌はれざるべからず。何となれば唯堯舜のみ、此時代を極楽になすを得べければなり。
詩人論 (新字旧仮名) / 山路愛山(著)
僕は機械的にしやべつてゐるうちにだんだん病的な破壊慾を感じ、堯舜げうしゆんを架空の人物にしたのは勿論、「春秋しゆんじう」の著者もずつと後の漢代の人だつたことを話し出した。
歯車 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
汝、六五家を出でてほとけいんし、六六未来みらい解脱げだつの利慾を願ふ心より、六七人道にんだうをもて因果いんぐわに引き入れ、六八堯舜げうしゆんのをしへを釈門しやくもんこんじてわれに説くやと、御声あららかにらせ給ふ。
〔譯〕堯舜げうしゆん文王は、其ののこす所の典謨てんぼ訓誥くんかう、皆以て萬世の法と爲す可し。何の遺命いめいか之にかん。せい王の顧命こめいそう子の善言に至つては、賢人のぶんおのづかまさに此の如くなるべきのみ。
自覺させると云ふ事も惡くはないですがね、私は一方から考へて、平和な幸福な堯舜げうしゆんのやうな人民に文明々々と怒鳴つて、自由だの權利だのを教へて煩悶の種を造らせるのはどうかと思ひます。
新帰朝者日記 (旧字旧仮名) / 永井荷風(著)
是れ七五げふを重んじ孝悌かうていをまもり、まことをつくして人慾にんよくなし。堯舜げうしゆんの道といふなるべし。