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土偶
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でく
ふりがな文庫
“
土偶
(
でく
)” の例文
素焼
(
すやき
)
の
土偶
(
でく
)
は粉になって、四方へ破片を飛ばしたのです。すると、その樹のうしろあたりから、あっと言って姿を見せた男女がある。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
これからさき生かして置いてくれるなら、己は決して
他
(
た
)
の人間を物の言えぬ着物のように、または
土偶
(
でく
)
か何かのように扱いはせぬ。
痴人と死と
(新字新仮名)
/
フーゴー・フォン・ホーフマンスタール
(著)
自分は「先生」を曲解して、人形や
土偶
(
でく
)
にはし度くない。「先生」を偉大なりと思ふ丈「先生」を人間扱ひし度いのである。
貝殻追放:007 愚者の鼻息
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
僕の
家
(
うち
)
には祖父の代からお
狸様
(
たぬきさま
)
というものを
祀
(
まつ
)
っていた。それは赤い布団にのった一対の狸の
土偶
(
でく
)
だった。僕はこのお狸様にも何か恐怖を感じていた。
追憶
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
何か埴輪の
土偶
(
でく
)
のようなものでもあったら欲しいと思ったのだが、そんなものでなくとも、なんでもよかった。
大和路・信濃路
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
▼ もっと見る
土偶
(
でく
)
のように感興の固定した先生の群の中で、彼の先生だけが生きた先生に思った。愛すべき青年の先生は私の前で英雄と神との境へまで挙げられたのである。
追慕
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
肱から先を食いとられて
土偶
(
でく
)
のようになった血だらけの腕を振りながら、なんともいいようのない声で
三界万霊塔
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
手づくねのごく単純な
土偶
(
でく
)
を素焼きにし、それへ荒く
泥絵具
(
どろえのぐ
)
を塗っただけのものである。
日本婦道記:二十三年
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
親しい顔がずらりと並んでいても、ふと眼の向いたものと機械的な会釈が交わされるだけで、みな全くの他人で
土偶
(
でく
)
に等しく、球だけが生々と活躍して、あらゆるものの中心となる。
阿亀
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
多くは土色をした
土偶
(
でく
)
のようなものであった。これらの人々は読み方や、算術や、習字を教える機械に雇われているバネ仕掛けの
操
(
あやつり
)
人形であって、有肺人類には属しないものであった。
空中征服
(新字新仮名)
/
賀川豊彦
(著)
のみならず親の手前世間の手前面目ない。人から
土偶
(
でく
)
のようにうとまれるのも、このおれを出す機会がなくて、
鈍根
(
どんこん
)
にさえ立派に出来る翻訳の下働きなどで日を暮らしているからである。
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
また、その人体は、人間の化した
死蝋
(
しろう
)
でも
木乃伊
(
みいら
)
でもありません。生まれながら霊魂も肉体も持たない
素焼
(
すやき
)
の
土偶
(
でく
)
で、きわめて原始的な工法で焼かれた赤土の
埴輪
(
はにわ
)
であります。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
生半可
(
なまはんか
)
、ひとの心や気もちのうごきに敏感になったから、かえって、こっちの手が
怯
(
おく
)
れるのだ。日観なども、眼をとじて一撃を
揮
(
ふ
)
り落せば、実は
脆
(
もろ
)
い
土偶
(
でく
)
みたいなものかも知れないのだ
宮本武蔵:03 水の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「オオ。たたき
壊
(
こわ
)
してやれ、その
土偶
(
でく
)
を」
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“土偶”の意味
《名詞》
土で造らた人形。
特に縄文時代に造られた土人形。
(出典:Wiktionary)
“土偶”の解説
土偶(どぐう)は、語義1最狭義では、縄文時代頃の日本列島で作られていた土人形を指す。
(出典:Wikipedia)
土
常用漢字
小1
部首:⼟
3画
偶
常用漢字
中学
部首:⼈
11画
“土偶”で始まる語句
土偶像
土偶人形
土偶仏
土偶胴部
土偶變形