阿亀おかめ
電車通りから狭い路地をはいると、すぐ右手に一寸小綺麗な撞球場があった。電車通りに面した表の方は、煙草店になっていて、各国産の袋や缶の雑多な色彩が、棚の上に盛り上っていた。その店から、磨硝子の戸を距てて、撞球台が二つ並んでいる広間となり、奥は …