こまっ)” の例文
れはこまった、今彼処あそこで飲むと彼奴等きゃつらが奥にいって何か饒舌しゃべるに違いない、邪魔な奴じゃと云う中に、長州せい松岡勇記まつおかゆうきと云う男がある。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
最う誰も居ませんから目「やれ/\、あゝ夫は困ッたなア実にこまった、己よりもア内儀がさぞかし失望する事だろう、困たなア」と頭を掻く其様如何にもまことしやかなり、下女は何事かと怪しむ如く
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
れで政府も余程こまった様子でありしが、到頭とうとうソレを無理圧付おしつけにして同船させたのは、政府の長老も内実は日本士官の伎倆ぎりょう覚束おぼつかなく思い
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
実にこまった身の有様ありさまだと、毎度両人と話す中に、私は両人のめに同情を表するとうよりも、むしろこの仙台藩士の無情残酷と云うことにひどく腹が立ちました。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)