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嗟
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ああ
ふりがな文庫
“
嗟
(
ああ
)” の例文
嗟
(
ああ
)
、閣下よ、其の夜其の男の誘いに応じたが為に、其の行先の淫売宿で不可解な事実に遭遇し貞淑であった妻に疑惑の心を抱き始め
陳情書
(新字新仮名)
/
西尾正
(著)
浅虫の濃灰色の海は重く
蜒
(
うね
)
り、浪がガラスの破片のように三角の形で固く飛び散り、墨汁を流した程に真黒い雲が海を圧しつぶすように低く垂れこめて、
嗟
(
ああ
)
善蔵を思う
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
正行は、「
嗟
(
ああ
)
、我事終れり」と嘆じて、弟正時と相刺し違えて死んだ。相従う十三余士、皆
屠腹
(
とふく
)
して殉じた。
四条畷の戦
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
記憶から記憶と群がり来って果しがない。
嗟
(
ああ
)
今一度なつかしいヤスナヤ、ポリヤナに往って見たい!
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
「
嗟
(
ああ
)
、こんな晩には、何処でもいい、しつとりとした
草葺
(
くさぶき
)
の田舎家のなかで、暗い赤いランプの陰で、手も足も思ふ存分に延ばして、前後も忘れる深い眠に陥入つて見たい」
田園の憂欝:或は病める薔薇
(新字旧仮名)
/
佐藤春夫
(著)
▼ もっと見る
嗟
(
ああ
)
予
(
われ
)
蓬蒿
(
ほうこう
)
の人
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
仮サズ/卅歳辛勤一空ニ付ス/君ヤ夙ニ克家ノ子
為
(
た
)
リ/七齢李賀声已ニ
隆
(
たか
)
シ/吾嘗テ西遊シテ君ガ舎ニ寓ス/吾未ダ弱冠ナラズ君猶童タリ/対床一堂講習ヲ事トシ/灯火旦ニ達シ三冬ヲ
度
(
わた
)
ル/
嗟
(
ああ
)
吾産ヲ破リテ何事ヲカ成サン/爾来落托十年ノ
中
(
うち
)
/江湖酒ヲ載セテ薄倖ニ甘ンジ/狂名留マリテ煙花ノ叢ニ在リ/君亦郷閭ノ誉ヲ
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
「
嗟
(
ああ
)
! また始まつたか」と心のなかで彼の女の夫に就て
呟
(
つぶや
)
きながら。さうして食卓を片附けつつ、その花のコップをとり上げたが、さてそれをどうしようかと思惑うて居た。
田園の憂欝:或は病める薔薇
(新字旧仮名)
/
佐藤春夫
(著)
絶対に、
嗟
(
ああ
)
、ちりほどの変化も無い。光は
勿論
(
もちろん
)
、嵐さえ、無い。笠井さんは、闇の中で、手さぐり手さぐり、一寸ずつ、いも虫の如く進んでいるうちに、静かに狂気を意識した。これは、ならぬ。
八十八夜
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
それは、甘える愛猫が彼の指を優しく噛む時ほどの
痒
(
かゆ
)
さを感じさせた。彼は枝を
撓
(
たわ
)
めてそれを己の身近くひき寄せた。その唯一つの花は、
嗟
(
ああ
)
! ちやうどアネモネの花ほど大きかつた。
田園の憂欝:或は病める薔薇
(新字旧仮名)
/
佐藤春夫
(著)
嗟
(
ああ
)
、僕は臆病者だ、女の腐ったみたいなものだ、そんなに、この会がいやならば、なぜ袴をはいて出席したりなどするのだ、お前のさもしい焦躁は、見え透いているぞ、と自分を叱ったり、とにかく
善蔵を思う
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
嗟
漢検1級
部首:⼝
13画
“嗟”を含む語句
咄嗟
嗟嘆
怨嗟
突嗟
嗟歎
嗟乎
嗟呼
嗟吁
吁嗟
咨嗟
嗟矣
嘆嗟
嗟息
嗟賞
長嗟
憤怒怨嗟
于嗟
嗟夫
嗟哉
嗟乎唐虞道
...