喜作きさく)” の例文
しかるに二、三年前今年の二月に雪崩で死んだ名物男の小林喜作きさくが東鎌尾根の路を拓いて、大天井岳から殺生小屋へ通ずるようにした。
之をきつする其何椀なんわんなるをらざるなり、而して此を食ふを得るはまつたく人夫中の好漢こうかん喜作きさくちからにして、能く害菌と食菌とを区別くべつし、余等をして安全之をくらふを得せしむ
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
喜作きさくというお百姓さんの一家五人が、そのとき山の麓の方から、この村道を下りてきた。農家の人たちは、いつも午前十一時ごろには、昼飯をたべることになっている。
宇宙戦隊 (新字新仮名) / 海野十三(著)
悦治は、くちびるむらさきいろにして、河原かわらを走って、喜作きさくおさえたもんだから、鬼は二人になった。
さいかち淵 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
悦治は、くちびるを紫いろにして河原を走って、喜作きさくを押えたので鬼は二人になりました。
風の又三郎 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
喜作きさくのもこっそり行ってみたけれどもやっぱり倒れた。いまもまだっている。父はわらって大丈夫だいじょうぶ大丈夫だと云うけれどもそれはぼくをなだめるためでじつは大へんひどいのだ。
或る農学生の日誌 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)