唐臼からうす)” の例文
唐臼からうすで挽いた時に、すくもの屑などとともに残る小米のことで、こういうのはヒキグイすなわち粉食にするより他に用途はなかった。
食料名彙 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
唐臼からうすを踏むやうな大跛者おほちんばで、それに左の肩の下がつた猫背も、何となく、不具者の痛々しさを強調します。
そして手伝ひといつても鳥右さんは、唐臼からうすをまはすとか、田を耕すとか、俵をかつぐとか、いちばん力のいる仕事をしてくれたので、百姓家ではたいへんたすかりました。
鳥右ヱ門諸国をめぐる (新字旧仮名) / 新美南吉(著)
ごほごほと雷以上のこわい音をさせる唐臼からうすなども、すぐ寝床のそばで鳴るように聞こえた。源氏もやかましいとこれは思った。けれどもこの貴公子も何から起こる音とは知らないのである。
源氏物語:04 夕顔 (新字新仮名) / 紫式部(著)
夕顏の宿やどに寢て、はしぢかにきこえてくる、物賣りの聲や、町人の話聲や、夜明けに隣家の下僕が嚔をするのや、唐臼からうすの音がとどろいてくるのや、螽蟖こほろぎが枕上ちかく飛んでくるのを見るあたりの
夏の夜 (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
父さんはあんな事を言ふけれど、私は勇次郎さんは大嫌ひ、歩くと唐臼からうすむやうなんですもの。——でも殺されて了つちや可哀想ねえ。早く下手人げしゆにんを擧げて下さいよ。
カラとはすなわち新種改良品のことで、農具には唐臼からうす唐鋤からすきのごとく、カラとかタウとかいう語を冠したものが多い。実際また支那シナ人から、間接に学んだものかも知れぬ。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
父さんはあんな事を言うけれど、私は勇次郎さんは大嫌い、歩くと唐臼からうすを踏むようなんですもの。——でも殺されてしまっちゃ可哀想ねえ。早く下手人げしゅにんを挙げて下さいよ。
廻わして引くという根本の法則が、ともに在来の搗臼とはちがっている故に、大小を通して唐臼からうすと謂い、「地がら」はすなわち地唐臼であって、系統は異なるがきねを用いぬという特徴のために
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
唐臼からうすを踏むような大跛足で、渋紙色の顔には、左の頬からびんへかけて、大火傷やけどあとがある上、髪は玉蜀黍とうもろこしの毛のような女——、年こそ三十前後ですが、これはまたあまりに痛々しい容貌です。
悪くない娘だぜ。少し、唐臼からうすを踏むが、大したきりょうさ。どっちを
唐臼からうすを踏むやうな大跛足おほちんばで、澁紙色の顏には、左の頬からびんへかけて、大燒痕おほやけどの引つつりがある上、髮は玉蜀黍たうもろこしの毛のやうな女——、年こそ三十前後ですが、これは又あまりに痛々しい不容貌きりやうです。
部屋へ入って来るのをよく見ていると、右足は左の足に比べると、どうしても二寸は短いようです、唐臼からうすを踏むような足どりで、それに左の肩の下がった猫背も、なんとなく痛々しさを強調します。
惡くない娘だぜ。少し、唐臼からうすを踏むが、大したきりやうさ。何方を