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唐本
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たうほん
ふりがな文庫
“
唐本
(
たうほん
)” の例文
満庭の樹影
青苔
(
せいたい
)
の上によこたはりて清夏の逸興
遽
(
にはか
)
に
来
(
きた
)
るを覚ゆる時、われ年々来青花のほとりに先考所蔵の
唐本
(
たうほん
)
を曝して誦読日の傾くを忘る。
来青花
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
「成程、
御尤
(
ごもつとも
)
で……」と市島氏は型のやうに一寸頭を下げた。そしてその次ぎの瞬間には文求堂の店で見た古い
唐本
(
たうほん
)
の値段の事を考へてゐた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
が、更に驚いたのはこの頃ふと
架上
(
かじやう
)
の書を縁側の日の光に
曝
(
さら
)
した時である。僕は従来
衣魚
(
しみ
)
と言ふ虫は決して和本や
唐本
(
たうほん
)
以外に食はぬものと信じてゐた。
変遷その他
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
玄關からは上らずに
柴折戸
(
しをりど
)
を潜つて庭へ這入ると、鼈甲の大きな老眼鏡をかけた父は
白髯
(
しらひげ
)
を撫でながら、縁側の日當りに腰をかけて
唐本
(
たうほん
)
を讀んで居られたが、自分の姿を見ると、何より先に
新帰朝者日記 拾遺
(旧字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
さうしてその机の
後
(
うしろ
)
、二枚重ねた座蒲団の上には、
何処
(
どこ
)
か
獅子
(
しし
)
を想はせる、脊の低い
半白
(
はんぱく
)
の老人が、或は手紙の筆を走らせたり、或は
唐本
(
たうほん
)
の詩集を
飜
(
ひるがえ
)
したりしながら、
端然
(
たんぜん
)
と独り坐つてゐる。……
漱石山房の秋
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
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さうしてその机の
後
(
うしろ
)
、二枚重ねた座蒲団の上には、
何処
(
どこ
)
か
獅子
(
しし
)
を想はせる、
背
(
せい
)
の低い
半白
(
はんぱく
)
の老人が、或は手紙の筆を走らせたり、或は
唐本
(
たうほん
)
の詩集を
飜
(
ひるがへ
)
したりしながら、
端然
(
たんぜん
)
と独り坐つてゐる。……
東京小品
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
“唐本”の意味
《名詞》
中国から渡来した書物。
(出典:Wiktionary)
“唐本”の解説
唐本(とうほん)とは、中国で刊行され、日本に輸入された図書の総称である。
その多くは木版印刷本で、中華民国成立前に同地(現在の中国)で刊行された書籍を示す。それに対して、主として中華民国以後に出版された近代の活版印刷本は、「中国書」と呼び、漢籍等において唐本と区別される。
訓点を施されていない漢文の図書のため、稀に漢籍と同義語として用いられる場合もある。
(出典:Wikipedia)
唐
常用漢字
中学
部首:⼝
10画
本
常用漢字
小1
部首:⽊
5画
“唐”で始まる語句
唐突
唐
唐紙
唐土
唐桟
唐櫃
唐草
唐辛子
唐人
唐黍