和漢わかん)” の例文
狐の妖魅えうみをなす事和漢わかんめづらしからず、いふもさらなれどいふ也。われ雪中にはあかりをとらんため、二階のまどのもとにて書案つくゑる。
春の雪はきえやすきをもつて沫雪あわゆきといふ。和漢わかんの春雪きえやすきを詩哥しいか作為さくいとす、これ暖国だんこくの事也、寒国の雪はふゆ沫雪あわゆきともいふべし。
雪をはらふは落花らくくわをはらふにつゐして風雅ふうがの一ツとし、和漢わかん吟咏ぎんえいあまた見えたれども、かゝる大雪をはらふは風雅ふうがすがたにあらず。
あんずるに和漢わかん三才図会づゑ寓類ぐうるゐに、飛騨美濃ひだみのあるひは西国の深山しんざんにも如件くだんのごとき異獣いじうある事をしるせり。さればいづれの深山にもあるものなるべし。
葵亭翁は蒲原郡かんばらごほり加茂明神の修験しゆげん宮本院名は義方吐醋よしかたとさくがうし、又無方斎むはうさい別号べつがうす、隠居いんきよして葵亭きていといふ。和漢わかん博識はくしき北越の聞人なたかきひとなり。芭蕉がくだんの句ものに見えざればしるせり。