呑込のみこみ)” の例文
四十年来の閲歴えつれき聞人達もんじんたち気風きふう呑込のみこみたれば、たゞ諸名家しよめいか御休息所ごきうそくじよを作り、御褒美ごほうびにはうめぽんづゝうゑくだされと、かね卑劣ひれついでざる名案めいあんうめぽん寄附主きふぬし
隅田の春 (新字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
松崎は刈り込んだ半白の口髭くちひげでながら、微笑して、「しかし、こういう仕事をするには、呑込のみこみの早い、気のきいた家でなくっちゃいけない。心安い家でうまい処があるか。」
つゆのあとさき (新字新仮名) / 永井荷風(著)
たのみける故七右衞門は委細呑込のみこみ然る上はすけ十郎樣郷右衞門樣とても此方こなたあられては宜しからず御兄弟樣の御供して手前の方へ御越おこしなさるべしとてばん建部たてべ夫婦の者もともに主從都合六人を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
猟人「白兎ですよ。何遍それを言えばいんだ。そんなこと言っているうちに、気の利いた兎は、穴の中へもぐって昼寝をするだろう」独語のように「この子は、よっぽど呑込のみこみのわるい子だな」
(新字新仮名) / 竹久夢二(著)
夫 だが、呑込のみこみだけは早いな。察しのつくこと驚くべしだ。
世帯休業 (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
欲に掛けては呑込のみこみの好い事おびただしいのであった。
備前天一坊 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)