口端くちばた)” の例文
藤吉郎なども、時折、信長の前へ出て、何か献言けんげんでもしていると、側にいて聞いている犬千代が、にやりと、口端くちばたくぼを作る。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
たか羽音はおとでもあるやうにうなつておとは、その竹竿たけざをにしたひと口端くちばたとがらせてプウ/\なに眞似まねをしてせたこゑでした。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
判事は検事と眼を見合わせ、そんな事は信じられないというように、苦笑を口端くちばたへ浮かべたものです。
西班牙の恋 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)