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叉
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こまぬ
蟲の
音亙りて月高く、いづれも哀れは秋の夕、
憂しとても
逃れん
術なき
己が影を踏みながら、
腕叉きて小松殿の
門を立ち出でし瀧口時頼。
またの名は
庭筠、
字は
飛卿である。挙場にあって八たび手を
叉けば八韻の詩が成るので、
温八叉と云う諢名もある。鍾馗と云うのは、
容貌が醜怪だから言うのだ。
御溝を
挾んで今を盛りたる櫻の色の見て
欲しげなるに目もかけず、物思はしげに小手
叉きて、少しくうなだれたる頭の重げに見ゆるは、
太息吐く爲にやあらん。