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南詰
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みなみづめ
大阪の東町奉行所は城の
京橋口の外、京橋
通と
谷町との
角屋敷で、
天満橋の
南詰東側にあつた。東は城、西は谷町の通である。南の
島町通には街を隔てて
籾蔵がある。
その時大阪中で
牛鍋を
喰わせる処は
唯二軒ある。一軒は
難波橋の
南詰、一軒は
新町の
廓の
側にあって、最下等の店だから、
凡そ人間らしい人で
出入する者は決してない。
平八郎は
難波橋の
南詰に
床几を立てさせて、白井、橋本、其外
若党中間を
傍にをらせ、腰に附けて出た
握飯を
噛みながら、砲声の
轟き渡り、
火焔の
燃え上がるのを見てゐた。