化猫ばけねこ)” の例文
たゝみしわひとつづゝ、いやな黄味きみびて、えかゝる提灯ちやうちんかげで、ひく/\とみなれる、猅々ひゝ化猫ばけねこである。
露宿 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「その上お内儀のお貞が内氣なのを良いことにして、近頃は町内に櫓下やぐらしたから這ひ出した、化猫ばけねこ見たいなお染といふめかけを圍つて、月の半分は其方へ泊るといふことですよ」
「ニャアン、鍋島なべしまの猫だよ、化猫ばけねこだよ。ゴロニャーン。」
化猫ばけねこ雉猫きじねこ、かまいたち、粟が尻尾しつぽを黄に垂れた。
畑の祭 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
半ちぎれの肉塊共の猫踊り、化猫ばけねこ踊り。
地獄風景 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)