はげま)” の例文
新字:
兵卒は、巓近し、今一息に候と叫びて、我等をはげましたり。されど仰ぎ視れば山の高きこと始に異ならず。一時ばかりにして僅に巓に到りぬ。
見れば幾許いくら大家の由緒ゆゐしよある家のといふても町人は町人だけで詮方せんかたなし必ず喃々くよ/\思ふなよとはげましながら父親も同じ袂をうるほはしぬ娘はやう/\顏を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
飮むべしと云ふこれにはげまされて何樓とかへのぼ歌妓うたひめありと聞て木曾の唄をたしかに聞ざるも殘念なればとそれを呼びてうたはすに名古屋の者なれば正眞の木曾調子にはゆかずと謙遜してさて唄ふ其唄
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
内儀かみさんははげますやうにさうしてしんみりといつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
とらしか返答へんたふ致すべしとさも横柄わうへいのべけるに兩人再び驚きしが大膳は聲をはげまし汝天下の御落胤ごらくいんなどとあられもなきいつはりを述べ我々をあざむき此場を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ジエンナロ聲をはげまして、など艣を捨つると叱すれども、二人は喪心せるものゝ如く、天を仰いで凝坐ぎようざす。
はげまして歩行まんとしけるに是まで何里なんりともなき道を走りたる事故大いに足を痛め歩行難きを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)