制札せいさつ)” の例文
黒木の門には小庇こびさしの付いた窓があり、昔はここで訴願などを受付けたという。また門の脇には高札場こうさつばがあって、現在でも領主加賀様の制札せいさつが掲げられる。
似而非物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
「あゝ、あっちにもみちがあるのか。そっちへも制札せいさつをして置かなかったのは失敗だった。ねえ、君。」
二人の役人 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
「さっそく諸所へ、厳戒の制札せいさつを立てろ。また、令旨りょうじは、大塔ノ宮のおん名を以てするがいい」
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いかにも大寺にて祈祷の二字を大書たいしよしたる竪額たてがくは 順徳院の震筆しんひつなりとぞ。(佐渡へ遷幸のときの震筆なるべし)門前に直江なほえ山城守の制札せいさつあり、放火はうくわ私伐しばつきんずるの文なり。
いかにも大寺にて祈祷の二字を大書たいしよしたる竪額たてがくは 順徳院の震筆しんひつなりとぞ。(佐渡へ遷幸のときの震筆なるべし)門前に直江なほえ山城守の制札せいさつあり、放火はうくわ私伐しばつきんずるの文なり。
宋江が立てさせた“撫民ぶみん制札せいさつ”が見られ、一部では城壁の消火につとめ、また一隊の泊兵は、罹災民りさいみんを他にまとめて、それには米や衣服やかねを見舞にめぐんでやっている。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ああ、あっちにもみちがあるのか。そっちへも制札せいさつをしておかなかったのは失敗しっぱいだった。ねえ、きみ。」と云いながらあとからしなびたメリケンふくろをかついで来た黒服に云いました。
二人の役人 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
だが、兵部と右京は、その知行地の中で、本藩とは別個に制札せいさつを立てたり、夫伝馬ぶてんま、宿送りも他領のようにし、また幕府へ献上する初雁はつかり初鮭はつざけなども本藩の済まないうちに、先に献上したりした。
と、板ぎれに書いて、制札せいさつのように立てさせておいた。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
立ちどまった酒屋のかど制札せいさつまがいの看板を読めば
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
制札せいさつがいかめしい。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)