-
トップ
>
-
別室
>
-
べっしつ
院長は
不覚に
哀れにも、また
不気味にも
感じて、
猶太人の
後に
尾いて、その
禿頭だの、
足の
踝などを
眴しながら、
別室まで
行った。
あ、エウゲニイ、フェオドロイチの
有仰るには、
本院の
薬局が
狭隘ので、これを
別室の一つに
移転してはどうかと
云うのです。
この
尖端を
上に
向けている
釘と、
塀、さてはまたこの
別室、こは
露西亜において、ただ
病院と、
監獄とにのみ
見る、
儚き、
哀な、
寂しい
建物。