冷静れいせい)” の例文
旧字:冷靜
冷静れいせいなる社会的しやくわいてきもつれば、ひとしく之れ土居どきよして土食どしよくする一ツあな蚯蚓みゝず蝤蠐おけらともがらなればいづれをたかしとしいづれをひくしとなさん。
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵三文字屋金平(著)
小幡民部こばたみんぶはあいかわらずいたって無表情むひょうじょうにながめているし、伊那丸いなまる冷静れいせいなること、すこしもかわっていなかったが、うるさいのは竹童ちくどう
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
天稟てんぴんの正直と温和で謙遜けんそん冷静れいせいな点において、なんぴとからも尊敬せられ、とくに富士男とは親しいあいだがらである。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
熱情ねつじょうも時には素晴すばらしい仕事をさせる武器ぶきですが、冷静れいせいは常に物の道理を考えさせる唯一ゆいいつの力です。
母の話 (新字新仮名) / アナトール・フランス(著)
おおよそ宇宙間の事物は冷静れいせい静思せいしすれば、如々にょにょの姿を心眼の上に現出するとは思っているけれども、しかし物に依っては左様のみは行かず、大いに史的研究を要するものもある。
現代の婦人に告ぐ (新字新仮名) / 大隈重信(著)
すると、がまがえるは、冷静れいせい調子ちょうしで、かたりつづけました。
冬のちょう (新字新仮名) / 小川未明(著)
これを冷静れいせいにみるという伊那丸いなまるのことばは、余人よじんなら知らずこのの多い人たちへは、無理むりないましめ。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それだけかれは冷静れいせいであった。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
「……だが、冷静れいせいにこうしてながめているのもおもしろかろう」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
とゴルドンが冷静れいせいにいった。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)