トップ
>
具象
>
ぐしょう
ふりがな文庫
“
具象
(
ぐしょう
)” の例文
あたかも私のそういう長い不在を
具象
(
ぐしょう
)
するような、この高原に
於
(
お
)
けるさまざまな思いがけない変化、それにつけても
今更
(
いまさら
)
のように蘇って来る
美しい村
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
男は必ず負ける。
具象
(
ぐしょう
)
の
籠
(
かご
)
の中に
飼
(
か
)
われて、個体の
粟
(
あわ
)
を
喙
(
ついば
)
んでは嬉しげに
羽搏
(
はばたき
)
するものは女である。籠の中の小天地で女と鳴く
音
(
ね
)
を競うものは必ず
斃
(
たお
)
れる。小野さんは詩人である。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
後
(
あと
)
には塵も雲と立とうが、車上の者には何でもない。あたり構わず突進する現代精神を
具象
(
ぐしょう
)
した車である。但人通りが少ないので、此街道は自動車には理想的な道路と云ってよい。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
そして当然、かれも持つ本能の
相
(
すがた
)
のまま、なやみ、もがき、猛り泣いて、かかる人間宿命を、一
箇
(
こ
)
の
剣
(
けん
)
に
具象
(
ぐしょう
)
し、その
修羅道
(
しゅらどう
)
から救われるべき「道」をさがし求めた生命の記録が彼であったのだ。
宮本武蔵:01 序、はしがき
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
泰西
(
たいせい
)
の画家に至っては、多く眼を
具象
(
ぐしょう
)
世界に
馳
(
は
)
せて、
神往
(
しんおう
)
の
気韻
(
きいん
)
に傾倒せぬ者が大多数を占めているから、この種の筆墨に
物外
(
ぶつがい
)
の
神韻
(
しんいん
)
を伝え得るものははたして幾人あるか知らぬ。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
“具象”の意味
《名詞》
目に見えた形を備えていること。具体。
形で分かりやすく明確に示すこと。
(出典:Wiktionary)
具
常用漢字
小3
部首:⼋
8画
象
常用漢字
小5
部首:⾗
12画
“具”で始まる語句
具
具合
具足
具足櫃
具行
具教
具視
具備
具眼
具體的